インデックス投資

オルカン(全世界株式)のすべて|1本で世界中に投資できる新NISAの王道

新NISAで大人気の「オルカン(全世界株式)」を徹底解説。中身のMSCI ACWI、米国6割の構成、低コストの理由から、S&P500との違い、買い方・注意点まで、初心者にもわかる言葉でまとめました。

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皆さんこんにちは!「ダウの犬小屋」です🐶

 これまでの記事では、日本の高配当株や、FANG+のような米国の集中投資インデックスについて解説してきました。

 今回は、新NISAの「つみたて投資」でもっとも多くの人に選ばれている王道、「オルカン(全世界株式)」について、徹底的に深掘りしていきます。

 「投資を始めるなら、まずオルカンか S&P500」――そう言われるほど、オルカンはインデックス投資の代名詞になりました。SNSや書店でも「とりあえずオルカン」「オルカン1本でいい」という言葉をよく見かけます。

 しかし、「なんとなく人気だから」で買うのと、「中身を理解したうえで」買うのとでは、相場が下落したときの心の持ちようがまったく違います。オルカンが何に投資していて、なぜ低コストで、どんな弱点があるのか。そこまで分かって初めて、長く続けられる土台になります。

 今回は、「オルカンとは何か?」という基本からスタートし、中盤では中身のMSCI ACWIや構成、後半では「S&P500との違い」「新NISAでの買い方」「注意点」まで、順番に解説していきます!

 最後まで読み終えた頃には、オルカンに対する解像度が劇的に上がり、ご自身の投資判断の強力な軸になるはずです。

 お時間のある時に、ぜひコーヒーでも飲みながらじっくり読んでみてください🐾

【初級編】そもそも「オルカン」とは何か

 まずは、オルカンの基本的な姿を確認しましょう。

① オルカン=「全世界株式インデックス」の愛称

 オルカンとは、「オール・カントリー(All Country=全世界)」を略した愛称です。正式には、世界中の株式にまとめて投資するインデックスファンド(投資信託)を指します。

 もっとも有名なのが「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という商品で、この愛称がそのまま「オルカン」として定着しました。

 ひとことで言えば、オルカンは「これ1本買うだけで、世界中の株にまるごと分散投資できる詰め合わせパック」です。

② 1本で約3,000銘柄・先進国+新興国に分散

 オルカンが投資する先は、アメリカ・日本・ヨーロッパといった先進国だけではありません。中国・インド・台湾・ブラジルなどの新興国も含めた、世界数十か国・およそ3,000銘柄に分散されています(構成数は時期によって変動します)。

 私たちが1万円分のオルカンを買うと、その1万円が自動的に世界中の何千もの企業へ少しずつ配分される、というイメージです。

 「どの国が伸びるか分からないなら、いっそ全部買っておこう」――これがオルカンの根本にある考え方です。

③ 「インデックスファンド」だから低コスト

 オルカンは、特定の指数(インデックス)に連動するように機械的に運用される「インデックスファンド」です。

 ファンドマネージャーが銘柄を厳選する「アクティブファンド」と違い、人の手間が少ないぶん、運用コスト(信託報酬)を非常に低く抑えられるのが特徴です。オルカンの信託報酬は、執筆時点で年0.1%を下回る業界最低水準とされています。

 投資信託は「持っているだけで毎年かかるコスト」が長期のリターンを地味に削るため、この低コストは極めて大きな武器になります。

【中級編①】オルカンが連動する「MSCI ACWI」とは

 ここからは、オルカンの「中身」を一段深く見ていきます。

① 世界の株式を映す代表的な指数

 オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)が連動を目指しているのは、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)」という指数です。

 これは、米国のMSCI社が算出している、先進国と新興国の株式市場全体の動きを表す世界的に有名な株価指数です。世界の投資可能な株式の時価総額の大部分をカバーしているとされ、「世界経済の縮図」とも言える存在です。

② 「時価総額加重」という組み入れルール

 MSCI ACWIは、「時価総額加重平均」というルールで構成されています。これは、「会社の規模(時価総額)が大きいほど、指数の中での比率も大きくする」という考え方です。

 そのため、世界的な巨大企業(アップル、マイクロソフト、エヌビディアなど)が上位を占め、規模の小さな企業の比率は小さくなります。

 このルールには、「伸びて大きくなった企業の比率が自動的に増え、縮んだ企業の比率は自動的に減る」という、ほったらかしでも新陳代謝が起きる仕組みが備わっています。

③ 中身は「米国が約6割」

 「全世界」と聞くと均等に世界へ分散しているイメージを持つかもしれませんが、実際には時価総額加重の結果、米国企業の比率が全体のおよそ6割を占めています(比率は市況によって変動します)。

 次いで日本・イギリス・フランスなどの先進国が続き、新興国は全体の1割強といった構成になっています。

 つまりオルカンは、「世界中に分散しつつ、結果として米国の比重が高いファンド」とも言えます。この点は、後述するS&P500との比較でとても重要になります。

【中級編②】オルカンが「新NISAの王道」と言われる3つの理由

 ここからは、オルカンがなぜこれほど初心者に支持されているのかを整理します。

① 究極の分散 ―― 1本で世界中に投資できる

 最大の魅力は、たった1本で世界中に分散できる手軽さです。

 特定の国や企業に集中投資すると、その対象が不調になったときのダメージが大きくなります。オルカンは世界全体に広く分散しているため、「どこか一国が沈んでも、別の国がカバーする」というクッションが効きやすくなります。

 「どの国・どの会社が勝つか分からない」という、初心者にとって一番難しい問題を、「全部買う」というシンプルな答えで解消してくれるのです。

② 業界最低水準の低コスト

 すでに触れたとおり、オルカンの信託報酬は非常に低く抑えられています。

 長期投資ではコストの差が雪だるま式に効いてきます。たとえば信託報酬が年1%違うだけでも、数十年後の資産額には大きな差が生まれます。低コストは、派手さはないものの、長期で確実に効いてくる「縁の下の力持ち」です。

③ ほったらかしでよい手間いらず

 オルカンは、世界経済の成長に合わせて中身が自動で組み替わっていくため、私たちが銘柄を選んだり入れ替えたりする必要がありません。

 毎月一定額を積み立てる設定さえしておけば、あとは基本的に「ほったらかし」で続けられます。日々の値動きを気にして売買を繰り返すよりも、淡々と積み立て続けるほうが、長期の成績は安定しやすいと言われています。

【上級編①】オルカンのメリットを深掘りする

 ここからは、もう一歩踏み込んでオルカンの強みを整理します。

① 「世界経済の成長」をまるごと取り込める

 オルカンの本質は、「特定の国に賭ける」のではなく、「人類全体の経済成長に乗る」という発想です。

 長期的には世界の人口・生産・技術は拡大してきた歴史があり、その成長の果実を広く受け取ろう、というのがオルカンの考え方です(もちろん、将来も同じように成長する保証はありません)。

② 「国の入れ替え」も自動で起きる

 時価総額加重のため、将来もし米国が地位を落とし、別の国が台頭してきたとしても、指数の中身は自動的にその変化を反映して組み替わっていきます。

 「次の主役がどこになっても、オルカンを持っていれば乗り遅れにくい」という安心感は、超長期で持つほど効いてきます。

③ 為替の分散にもなる

 オルカンは世界中の通貨建ての資産を含むため、結果的に円だけに資産を置くリスク(円の価値が下がったときに資産も目減りするリスク)を和らげる効果も期待できます。

【上級編②】オルカンの注意点・デメリット

 ここまで魅力を中心に解説してきましたが、オルカンにも当然弱点があります。

① 結局は「米国頼み」になりやすい

 中身の約6割が米国であるため、米国市場が大きく崩れると、オルカンも相応に下落します。「全世界に分散しているから安心」と思っていても、実際の値動きは米国株にかなり連動する点は理解しておくべきです。

② 為替(円高)の影響を受ける

 海外資産が中心のため、円高が進むと、現地の株価が変わらなくても円換算の評価額は目減りします。為替は分散にもなる一方、短期的にはリターンを揺らす要因にもなります。

③ 期待リターンは「平均点」

 全世界に分散するということは、好調な国の爆発的なリターンも、不調な国の損失も、ならされて「世界平均」に近づくということです。

 そのため、うまくいった特定の国やテーマ(米国集中やハイテク集中など)に比べると、リターンは見劣りすることもあります。オルカンは「大勝ち」を狙う商品ではなく、「市場平均を堅実に取りにいく」商品だと理解しておきましょう。

【超上級編】オルカン vs S&P500 ―― どちらを選ぶか

 オルカンを語るうえで避けて通れないのが、「オルカンと S&P500、どっちがいいの?」という永遠の論争です。

① 「全世界 = 分散」か「米国集中 = 効率」か

 オルカンは「世界全体に賭ける」、S&P500は「世界経済を引っ張る米国に集中して賭ける」という違いがあります。

 過去を振り返ると、ここ十数年は米国株が世界をリードしてきたため、S&P500のほうがリターンは高い傾向にありました。一方で、「これからも米国が一強であり続けるか」は誰にも分かりません。その不確実性に備えて世界へ広げておくのがオルカン、という整理ができます。

② 「迷ったらオルカン」と言われる理由

 「米国が今後も最強だと信じられるならS&P500、そこまで断言できないならオルカン」とよく言われます。

 オルカンは、たとえ主役が交代しても自動で追従してくれるため、「考えることを減らして、長く持ち続けたい人」に向いています。判断に迷うなら、より分散の効いたオルカンを選ぶ、というのは合理的な考え方の一つです(最終的な判断はご自身の方針で)。

③ 「両方持つ」という選択肢

 なお、オルカンとS&P500を両方少しずつ持つ人も少なくありません。中身は米国部分が重複しますが、「全世界の安心感」と「米国集中の積極性」を自分なりのバランスで組み合わせる、という考え方もあります。

【実践編】新NISAでのオルカンの買い方・続け方

 ここからは、実際にオルカンを買うときの流れを簡単に整理します。

① 「つみたて投資枠」で毎月コツコツ

 新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、オルカンはどちらでも購入できます。多くの初心者は、毎月一定額を自動で積み立てる「つみたて投資枠」での購入から始めています。

 証券口座で積立金額と頻度を設定すれば、あとは自動で買い付けが続くため、手間はほとんどかかりません。

② 「ドルコスト平均法」で価格を気にしすぎない

 毎月一定額を買い続けると、価格が高いときは少なく、安いときは多く買えるため、平均購入単価がならされます(ドルコスト平均法)。

 「いつ買えばいいか」という難しいタイミングの問題から解放されるのが、積立の大きなメリットです。

③ 続けるコツは「見すぎない」こと

 オルカンのような長期投資で一番の敵は、暴落時に怖くなって売ってしまうことです。

 値動きを毎日チェックするとどうしても一喜一憂してしまうため、「設定したら基本は放置」「下落はバーゲンセールと捉える」くらいの心構えで、淡々と続けることが大切です。

【番外編】オルカン投資で気をつけたい3つの落とし穴

① 「名前が似た別商品」に注意

 「全世界株式」と名のつく投資信託は複数あり、対象指数やコストが微妙に異なるものもあります。購入時には、自分が買おうとしている商品の正式名称・対象指数・信託報酬をきちんと確認しましょう。

② 暴落時に「やめてしまう」リスク

 オルカンも、世界同時株安のときには大きく下落します。長期で報われやすいと言われるのは「下落に耐えて持ち続けた場合」であり、底値で投げ売りしてしまうと、その恩恵は受けられません。

③ 「これさえ持てば絶対安心」ではない

 オルカンは優れた商品ですが、万能ではありません。生活防衛資金(当面の生活費)を確保したうえで、余裕資金で長期投資をする、という大前提は忘れないようにしましょう。

まとめ

 いかがでしたか?

 オルカン(全世界株式)は、「世界中にまるごと分散投資する」という発想を、低コストかつ手間いらずで実現してくれる、新NISA時代の王道インデックスです。

・1本で世界数十か国・約3,000銘柄に分散できる究極の分散力 ・MSCI ACWIに連動し、中身は米国が約6割。時価総額加重で自動的に新陳代謝する ・業界最低水準の低コストと、ほったらかしで続けられる手軽さ ・一方で「実質は米国頼み」「為替の影響」「リターンは世界平均」という弱点もある ・S&P500との比較では、「迷ったら分散の効いたオルカン」という考え方が根強い

 大切なのは、「人気だから」ではなく「中身を理解したうえで」長く持ち続けることです。仕組みと弱点まで分かっていれば、相場が荒れても落ち着いて積み立てを続けられます。

 日々の値動きに一喜一憂せず、長期的な資産形成の土台として、今回の内容が少しでもお役に立てば嬉しいです。最終的な投資判断は、ご自身の方針とリスク許容度に合わせて行ってくださいね。最後までお読みいただき、ありがとうございました🐾

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